コロナウイルスワクチンについて⑥
- dryoshiozaki
- 2021年2月7日
- 読了時間: 4分
コロナウイルスワクチンとアレルギー
コロナウイルスワクチンに関するアレルギーに関して沢山の質問をもらったので、それに関して書きます。ファイザーとモデルなは以下のようにワクチンに入っている成分を発表しています。
Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine mRNA lipids ((4-hydroxybutyl)azanediyl)bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate) 2 [(polyethylene glycol)-2000]-N,N-ditetradecylacetamide 1,2-Distearoyl-sn-glycero-3- phosphocholine cholesterol potassium chloride monobasic potassium phosphate sodium chloride dibasic sodium phosphate dihydrate sucrose
Moderna COVID-19 Vaccine messenger ribonucleic acid (mRNA) lipids (SM-102, polyethylene glycol [PEG] 2000 dimyristoyl glycerol [DMG] cholesterol 1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine [DSPC] tromethamine tromethamine hydrochloride acetic acid sodium acetate sucrose
まあ、これをみても自分がどの成分にアレルギーを持ってるかなんてわからないと思います。僕も正直わかりません。数件ですが、アナフィラキシーも報告されており怖いところだと思います。小麦粉や花粉症、ピーナッツなどにアレルギーがある可能性があって、このワクチンはどうなんだろうっていう不安をよく耳にします。
アレルギーの症状というと、 部分的もしくは全体的に出る発疹 吐き気 嘔吐 下痢 ゼーゼーした呼吸音 呼吸困難 顔や唇の腫れ 低血圧 めまい スティーブンスジョンソン症候群(SJS) アナフィラキシー などがあげられます。
ここで重要なのは、どのレベルなのかと言うことです。部分的な発疹だけや、吐き気もしくは下痢だけなどで特に処置が必要のないもの、抗アレルギー剤を1錠だけ、などは軽度のアレルギーと言えます。
SJS、顔や唇の腫れ、呼吸困難、もしくは、複数の症状が同時に起きる場合(これを基本的にアナフィラキシーといいます)は重度のアレルギーがあると言っていいと思います。
もし特定の食品にアレルギーを持っていて軽度の場合や、複数のアレルギーを持っている場合でも重度の症状がない場合は、個人的にはワクチンを打つことをお勧めします。私の病院ではワクチン接種後15-30分そのまま待機し、何か症状が出ないかを確認してから帰宅させるようにしています。アナフィラキシーなど、直後に発症するかもしれない症状を見落とさないようにするためです。アナフィラキシーは12時間経って出ることも稀にありますが、その頻度はかなり低く、15-30分以内に症状が出なければ、大多数のケースは問題ないと判断できます。軽いアレルギー症状の場合には、抗アレルギー剤を一回飲むか、もしくは時間が経てば治ることが多いです。
もしアナフィラキシーの既往歴があった場合や、それが上記の成分ではない場合も、CDCはワクチンを受けることを推奨してます。その場合は15-30分そのまま待機をさせてもらえて、なにかあった場合も対応できる病院などで接種すると良いかなと思います。
ギランバレー症候群(GBS)という神経に問題が出る病気についてですが、過去にテレビでアンソニー・ファウチ医師が、 GBSの既往歴がある場合では受けない方がいいと発言したことがありました。しかし現在のところ、コロナウイルスワクチン接種後にGBSは報告されておらず、アメリカのCDCも複数の論文もGBSとこのワクチンの関係性は否定的です。僕もこの論文を読み、現時点ではGBSの既往があっても接種した方が良いという考えです。
また、コロナワクチンを打った後に7人がベル麻痺を発症したと報告がありました。ベル麻痺(Bell’s palsy)は顔の半分の神経が働きにくくなる病気です。しかしそのケースは一般の人が発症する頻度と同じであるため、現在のところはベル麻痺を発症するリスクは上がっていないとCDCは発表しています。もし、その既往歴があっても、再発をする可能性は低く、ワクチンを受けることをCDCも勧めており、僕もそれに賛成です。
最後に、今回の治験は半年足らずで緊急許可がおりたため、副作用など十分な評価ができていないのではないかという不安をよく耳にします。実は報告されてる副作用のその殆どが30-45日以内に起こったことで、その期間を超えて報告される副作用は稀です。このことからFDAは接種後60日間以上の副作用と症状の確認を義務付けています。ファイザーもモデルナもその60日間のモニターを実施しており、副作用も特に目立ったものも発表されていません。このことから、安全性はかなり高いものだと言えると思います。
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