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コロナウイルスワクチンについて③

  • dryoshiozaki
  • 2021年1月15日
  • 読了時間: 2分

現在、私が働いているValley Children’s Hospital では、FDAから緊急使用許可(EUA)が降りたファイザー(Pfizer) と モデルナ(Moderna)のワクチンの接種を、病棟にて直接患者をケアする医療従事者を優先に開始しました。全く新しいmRNAを使ったワクチンで、ここ10数年ほど研究されてきたメカニズムなのですが、構造上温度などに敏感で壊れやすく、なかなか実用化に至りませんでした。今回のワクチンではLipid nanoparticle(LNP)という脂質ナノ粒子が使われていて、これにより細胞に効率的にmRNA を送るという画期的なテクノロジーが使われています。今回のパンデミックでは、治験がパンデミックの最中に出来たこと、サンプルサイズが十分であったこと、さらにアメリカ政府の支援もあったことなどもあり、今回のような過去にない異例のスピードで緊急認可の元、実用化に至りました。正式な認可とは違い、まだ治験の早い段階での情報を元に、パンデミックなどの緊急事態に有効性が認められる場合にだけ出る緊急使用許可(EUA)です。Remdesvir や回復患者の血漿もその一例です。


小児の観点でいうと、治験は基本的に大人の治験で安全性と有効性が認められた後に、子供の治験が始まります。現在ではファイザーのワクチンは12歳以上の子供への治験を先月開始しており、来年の初めにはモデルナも小児への治験も開始すると見られます。今回の緊急認可ではファイザーのワクチンは16歳以上の患者に、モデルナのワクチンは18歳以上も患者に対して認められました。アメリカでも小児の患者への接種はまだ先になりそうです。


ワクチンの接種後にアナフィラキシーを発症するケースがあるため、うちの病院では接種後15-30分ほどはそのまま待機し、アナフィラキシーを含めたアレルギー症状が出ないかモニターしています。現時点ではアナフィラキシーが起きた患者の情報は入ってきていないのでコメントできません。ファイザーもモデルナもワクチンに使われている成分がリストアップしてあり、それらにアレルギーを持たない限りは接種を推奨してます。


日本でもファイザーが厚生労働省に認可の申請をしたと聞きました。もし興味有れば、なんでも聞いてください。わかる限りお答えします。

 
 
 

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